刀 銘:河内守源永國作
(かわちのかみみなもとのながくにさく) 
寛文八年戊申十二月廿五日(一六六八年)
(切り付け銘)貮つ胴切落
古賀次左衛門久友(花押)


Katana:KawachinokamiMinamotonoNagakuniSaku



新刀・肥後(武蔵) 江戸前期 拵え付き
第二十七回重要刀剣指定品
探山先生鞘書き付き




刃長:71.2(二尺三寸五分弱) 反り:1.7 元幅:3.17
先幅:2.12 元重ね:0.74 先重ね:0.50 穴1




鎬造り、鎬・庵棟高目、中切っ先。 鍛え、小板目肌良く詰み地沸え付き地鉄精良。 刃文、広直刃基調浅くのたれて尖り刃風小互の目乱れて小沸え厚く付き砂流し掛かり太く足入る。 帽子、地蔵風やや大丸に深く返る。 茎生ぶ、先栗尻、鑢大筋違い。 銅に金着せ二重ハバキ。 時代研磨充分。 白鞘入り。
時代金具現代打刀拵え(全長・100、柄・23黒糸巻き 縁・頭、赤銅魚子地色絵象嵌唐賢人図 目貫、赤銅地金色絵牛図 鐔、赤銅魚子地長丸形色絵象嵌鎧武者図 笄、赤銅魚子地据え紋象嵌金色絵飾り駒図 鞘、総印籠刻み黒艶塗り 下げ緒、青・茶)付き。



【コメント】
河内守源永國の重要刀剣、古賀次左衛門久友による『貮つ胴切落』の截断銘入り、江戸法城寺一派の代表鍛冶で、剣豪宮本武蔵と大変縁の深い同工の最高傑作です。
永國は越前の生まれと云い、後に江戸に出て、江戸法城寺一派の肥後守橘吉次に学んだと云います。同工には『於肥州熊本作之』の駐槌地銘入りの作があることからも分かるように、熊本藩主細川家に請われて同地へ赴いています。 同工の典型的作風は、法城寺一派特有の数珠刃風互の目乱れであり、中には同系統の刃を焼く、長曽祢虎徹や上総介兼重を凌ぐ地刃の冴えを見せる作があります。また同工もそうであるように、数珠刃を焼く系統は、皆一様に大業物作者としても名高いという共通項があり、截断銘入る作を多く見ます。
本作は湾れ調に互の目交じるいわゆる数珠刃風の刃を匂い深く焼いており、上半に行くに従って刃幅を広く取っています。ふっくらとして、フワーッと明るい刃縁の深みは、感動的であり、素晴らしいの一言に尽きます。板目肌を主体とした鍛えは、地沸を厚く敷いて、地景を交えた見事な肌合い示しており、地の緩みは皆無です。
古くから永國は宮本武蔵との深い交流があったと云われていますが、実際は武蔵が没した正保二年五月の時点で、永國はまだ十三、四歳であるため、刀匠としての関わりがあったと考えるには無理があります。しかしながら、武蔵の弟子、つまりは『二天一流』の継承者である寺尾求馬助(もとめのすけ)信行、村上正雄らとの交流があったことは間違いなく、実際、彼らの所持銘が入った、天和二年の作が残っています。
探山先生鞘書き、重要図譜にもあるように、茎裏の年紀と『貮つ胴切落』の截断切り付け銘は、書風が表銘と同様であることから、永國自身が切ったものであることが分かります。つまりは作刀後直ぐに試し斬りを行ったということになります。また同工には『寛文八年戊申二月日 河内守源姓永國三十六歳作』と切った作があることから、本作も同年の作であることが分かります。
新免武蔵守藤原玄信(はるのぶ)こと宮本武蔵は、晩年、肥後國熊本城主細川忠利に、特別待遇の客分として招かれました。この地で完成させた兵法が、『二天一流』であり、同國金峰山霊巌洞にて記したと伝わる兵法書が、『五輪書』です。その中で武蔵は、『実戦に於いて、敵に勝つとは相手を殺傷することであり、兵法とは、言わば殺人技術に他ならない。戦闘を生業とする武士たる者の道は、死をわきまえることではなく、敵を殺す技術を修得し、何が何でも敵に勝つことにある。』と述べています。その魂を継承した『二天一流』の後継者達が、代々その凄まじい斬れ味と刀の美しさに惚れ込んだ永國刀、本作は年紀、截断銘入り、拵えも赤銅地金色絵の立派な時代金具を使用した、大変素晴らしい一作です。紛れもなく同工の最高傑作であると明言致します。
















【売約済】 商品番号:V-1505 刀 銘:河内守源永國作 (切り付け銘)貮つ胴切落 第二十七回重要刀剣指定品

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